Inter-universal Geometry Center 宇宙際幾何学センター

IUT Challenger Prizeの紹介

IUT理論については、すでに査読も終わり、Publication of the RIMSより出版もされていますが、世界の数学界に受け入れられているとは言い難いという、数学の世界では極めて珍しい状況になっています。
その原因としては、理論の根幹に到達する上での技術的ハードルが、一般の数学者にとってはまだまだ非常に高いこと、そのために、理論が発表されて10年以上経った現在でも、IUT理論の主張を理解するためには(経験豊富な数学者にとっても)大変な時間と労力が必要とされる状況であることが考えられます。
このような状況を鑑み、IUGCによるIUT Innovator Prizeに加え、川上量生氏(株式会社ドワンゴ創業者)個人により、IUT理論について「理論の本質的な欠陥」を示した最初の論文に100万ドルを贈呈するIUT Challenger Prize が創設されました。審査は川上量生氏が個人としての判断で行い、その方法については非公開となりますが、審査の対象とする論文については、MathSciNetに載っていて、かつ、過去10年間に数論幾何の論文が10本以上掲載されている数学の専門誌に査読の上でアクセプトまたは掲載されたものに限ります。
この賞は、理論の根幹に身を投じようとする数学者が少しでも増えるように、そしてそれらの人々の労苦に少しでも報いるために創設されるものです。「理論の本質的な欠陥」を明らかにすることへの賞というのは、もちろん大変異例なものですが、あくまでもIUT理論を巡る現状を打開し、数学界の状況が正常化されることを願って提案されるものであることを強調したいと思います。